混沌とした荷物たち
2021年、8年間放置していた子宮筋腫に向き合って手術したときの話を綴っている。
前回は手術に尻込みしていた状態から覚悟を決めるまでの話だった。
入院の荷造りは、むずかしい!
・服薬により子宮筋腫を少しでも小さくしておく
・術前健診にパスしておく
・PCR検査で陰性になっておく
これらの医学的準備は病院にサポートしてもらってクリアできた。
ただ、入院と手術のための準備はそれだけではない。
入院のための荷造り。
入院の荷造りは通常の外泊と比べて難易度が3倍ぐらいになると思う。
旅行などとは全く状況が異なるからだ。
違いその① 宿泊先に消耗品を期待できない
ホテル等にはあるティッシュやシャンプーやタオルや飲料‥
病院にはそういった消耗品はない。
だから無いと困る消耗品は全部持って行く必要がある。
違いその② 宿泊する部屋に他人がいる
今回、入院する部屋は4人部屋だ。
他人と同じ部屋で過ごす状況ならではのアイテムも必要になる。
主にお互いの視覚や聴覚を無駄に騒がせないための品。
耳栓やアイマスク、イヤホンなど。
違いその③ 宿泊先で体が不自由になる予定がある
そんな状況、ほかにはない上に、備えが足りない時のダメージが大きそうで困る。
術後の自分の状態をできるだけ明確にイメージしながら
必要になるものを選定する必要がある。
例えばお腹を切るなら、傷口を守る腹帯、お腹を圧迫しない下着と衣類等。
これらの違いが荷造りの難易度を猛烈に押し上げている。
入院先でもなるべく不自由なく過ごしたい!
その一心で、必死に調べてはリストアップを繰り返した。
結局何を持って行ったのか、
実際使ってみて何が便利で何が不要だったのかについては別記事で詳しく綴っている。
金銭面のこと
私は、民間保険に入っていなかった。
入ってろよという話だけど、事実、入ってなかった。
直近数年で何度か検討はしたものの‥
だって‥やましい腫瘍抱えながら保険加入とかしにくいし‥。
不安な「かたまり」に目をつぶって過ごしていると、こういう弊害もあったわけだ。
そんな私にも優しい制度があることを会社の総務の人から教えてもらえた。
その名も高額療養費制度!
年収に対して1か月に負担する医療費が高すぎた時
「多すぎますね‥これ以上は取らないでおきますね‥」と容赦してくれるらしい。
通常は、いったん全額支払った後に上限を超えた分を返してくれるという流れらしいけど
限度額適用認定証を前もって窓口に出しておけば
その「いったん全額支払う」すら回避できる。
ただし、加入している保険によって適用状況は異なる。
民間の保険には入っていなかった私だけど、
協会けんぽには入っていたので対象内だった。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3020/r151/
限度額適用認定証の申請書は、
入院前のナースによる入院説明の時に入院資料と一緒にもらえた。
申請した結果、病室に4人部屋(※安い)を選んだこともあり
支払ったお金はだいたい7万円ほどだった。
術後の生活のための家づくり
ここから後半に行くほど、「個人的な」準備になってくる。
私は、術後に無理をしたくなかったので
1か月は重いものを持てないことを前提に家を整えておいた。
「移動させたい」と思っていた重い家電を移動しておく、
一時的に来てくれる母が寝泊まりする布団をおろしておく など。
また、生活必需品を腰から上のちょうどいい高さにまとめておいたりもした。
これは頭痛等、体調不良が予想される時などによくやる。
体調が悪い時に下の方にあるものに接するの、しんどい。
術後にムダ毛処理は無理!
荷造りの意外な盲点、それがムダ毛処理である。
入院中にムダ毛の手入れをする力はあるだろうか。
ない。それなのに1週間は滞在しなくてはならない。
直前に剃っても1週間もあればムダ毛は目立ってしまう。
この事態を前に、私は数年前につるつるを夢見て買った家庭用脱毛器ケノンを出動させた。
1度ケノンを使えばムダ毛がなくなる!というわけじゃない。
使用をやめればまた生える。(※元通りの濃さではないけど)
でも使用し続けている期間は特に1番毛が薄くなるのだ。
この効果を利用して、治療を開始した4月からまたこつこつと照射を始めた。
その甲斐あって、入院中はムダ毛を気にせず過ごすことができた。
地味に、最も時間を要した準備だった。