2021年、8年間放置していた子宮筋腫に向き合って治療したときの話を綴っている。
前々回、入院初日、翌日の手術の準備でやること盛りだくさんだったことなど書いた。
(※前回は入院生活全般のことを特集)
手術当日の朝、カーテン越しに見える向かいの窓の光の陰影がなんだか海のように見えた。
素敵だなぁ‥とわずかに癒されたけど憂鬱だ。
手術の前日にしてはよく眠れたけど、昨晩から少し頭が痛む。
頭痛薬を飲むか?飲まないか?でお騒がせ
私が手術で最も恐れていたのが、麻酔が上手く効かないことだ。
手術中に意識と痛覚が戻ってしまったけど体は動かないという恐怖体験‥聞いたことはないだろうか‥。🥶
絶対そうはなりたくなかった。
だから麻酔に影響しそうなあらゆることを避けたかった。
頭痛薬が麻酔に影響するのか?よくわからなかったけど
なんとなく「術後まで頭痛薬は我慢するぞ!!」と誓っていたのだ。
(ただ‥‥ちょっと‥‥耐えられないかもしれない‥‥)
水分補給と服薬は手術4時間前で締め切られていた。
迷った挙句、看護師さんに相談し、主治医をつかまえて
手術3時間前にロキソニンを飲む了承を得た。
全員忙しい中ほんと申し訳ない‥‥早く決めていれば良かった。
結果として飲んでよかった。
恐れていたことは起きなかったし、飲んでいなければ
体調的に、術前のシャワーを浴びることはできなかった。
手術前にやっておくこと
私の手術は12時すぎ。
手術当日、術前にやっておくことは以下の4つ。
便を出し切ること
前日昼に1回、当日朝に1回下剤服用。
下剤は飲んだことがなく、
(便通は良いほうだし効き過ぎたら嫌だな‥)
と不安はあったけど2回とも"普通にトイレ行きたくなる程度"で安心した。
術前にシャワーを浴びておくこと
フロア共用部のシャワーは午前の時間帯は”当日手術の人用枠”になっていた。
術後は3~4日ほどシャワーを浴びることができない。
大事な術前最後のシャワー。念入りに浴びた。
指定の術着に着替えて血栓防止のストッキングを履くこと
(足を締め付けるストッキングで血栓防止って何‥?逆じゃない‥?)
と思ってたけど全然違うらしい。初めて知った。
計算された段階的な圧力により流れが良くなるらしい。
点滴を刺されておくこと
栄養を入れるための穴だから普通の注射より太い。
看護師さんが上手な人なのか、採血よりちょい痛いすなという程度。
刺して固定してしばらく経てば全く痛くない。
通院してた頃、点滴刺されて号泣してる女の子を見て「ずっと痛いのかなー」と思ってたから安堵。
いざ、手術
準備が終わった後は、ベッドの上にあぐらをかき、
ただひたすらに武士のように手術を待った。
薬を飲んだとはいえ微妙な頭痛が鎮座し続けており、何もする気にならなかったせいもある。
12時18分、呼びに来た看護師と共に手術室へ降りていくと、
手術室前の椅子に座らされ、不思議な問いを受けた。
「今からどういう手術をするか、ワカリマスカ‥」
何、その問い‥。変に厳かで、何だか怖い。
判っていない人、パニックになる人がいる人がいるのかな‥?
手術室は「妙に明るい部屋があるな」と思ったらそこだった。
手術室は異様に明るい!
そしてベッドは異様に小さい!
術中の人は動かないしそこに寝ている人に色々するんだからそれもそうか‥と納得。
そこに横になりあれよあれよという間に4,5人の人によって準備が進められる。
それにしても、さっきから微妙な気分の悪さが続いていてそれが1番気になっていた。
以下、手術直前からの私の意識のモノローグである。
はぁ~だるいな~この状況のただごとじゃなさも、全てがだるいな~
体調万全で挑みたかった‥‥
海老のように丸くなって背中に色々と何かしてるな‥
★★★
やっぱり体調が悪いいぃぃ!
終わってよかったけどもう早く部屋に運んでくださいねぇぇ!?
具合の悪い朕を丁重に運んで!??
そんな「何様?」な気持ちで意識が戻った。
手術が終わった。
「★★★」の部分で数時間に及ぶ手術は終わったのだけど
体調不良は終わらなかった。
ともあれ、手術は成功。
術中に意識が戻ることもなく!術中に死ぬこともなく!
先生が「お腹がスリムになりましたよ」と語りかけてくれたのが強く記憶に残っている。
そうだった。それを目指して、手術を受けたんだった‥。
嫌なことに気づいた
部屋のベッドに戻ると早々に、私は2つ、嫌なことに気づいてしまった。
まず、ベッドさんの様子がおかしい。
私が整えたコックピッドが完全に崩壊している。
手術前日に術後に使いたいものをかごにまとめて両脇に吊るしておいたのだけど
色んな管つけたり処置したり、運び込むときにベッドの形変えたり動かしたりするから
ベッドの柵にいろいろつけたらだめなんだった。
邪魔だーーー!とばかりに全部外されてた。
スミマセンデシタ。
スマホだけは近くにおいてくれた。
これだけが今の自分に使えるアイテム。
そして気づいてしまった嫌なこと2つめ。
わりと明確に意識ある問題。
手術室から病室への運搬中からしっかりと目覚めている。
もっとあと何時間か、朝が近くなるまで、夢か現かすーやすや‥という状態だと思っていた。
いや、そうでありたかった。
術後、管フル装備のMAX不自由な夜をこんな意識明瞭で過ごすのか。
まずいぞこれは。約束された長い夜。
その長い夜に起こしたひと騒動、術後1日目の顛末は次回。