少し、前にあったこと。
普段、映画館には行かないけど
円盤化を待てなかったので観に行った。
実に15年ぶりぐらいの映画館。
蛇腹みたいに幾重にも折れ曲がった行列に並ばなくてもチケットが買えることに感動。
期待を上回る映画の出来栄えにも感動。
ただ‥‥。
運悪く、映画の興を削ぐ客に遭遇してしまい
映画の満足度はそのせいで30%ぐらい減ってしまった。
その人は不思議だった。
ずっと何かを投げつけている。
髪をかきむしっては、ポップコーンに手を突っ込んでは、
フケか 塩か をずっと右斜め前方に投げつけている。
1~5分に1回ぐらいのペースで。
時には大きく振りかぶって、時には爪をピーンと弾いて。
一応、遅い時間なのもあって、前方の席はすべて空席で誰もいない。
私も、その人と席1個空けての右隣だから私に向かって投げてるわけでもない。
でも、角度が近い。
もう30度もずれれば射程圏内だ。
そもそも圏内じゃなくても‥
なんでそんなことするん。
という思いが鑑賞に水を差す。
積極的に座席を汚そうとして良いわけがない。
(この人は、法には触れないギリギリのラインの中で
いかに他人や公共物を害せるかを常に試みている類の人‥‥?)
気になって、気になって、仕方がない。
映画の終盤に差し掛かるとだんだんと
投げつける角度が私に向いてきた気がして
さすがに気になって、初めて、その人に視線をやった。
投げつけるたびに何度かその人に首を向けていたところ相手も気づいて
なんだお前は
という顔をした。ように見えた。
その後も、投げつけは続いた。
映画は最高だったんだけど、
一流シェフが仕込みに仕込んだスープに
知らん人の涎でも混入したかのような気持ち。
大画面の臨場感もいいけど、安心して鑑賞できる環境も捨てがたい。
今後また15年くらい映画館行かないかもしれない。