ひとり暮らしも長くなってきて
今はだいぶ住みやすくなったけど
最初の10年あまりぐらい、自分の部屋に納得がいっていなかった。
極端に散らかってはいないけど綺麗とも言えず、
整理整頓の進捗も常に20%なかんじで暮らしていた というか。
1番よくあることのような気はする。
始まりの頃を思い出すと
そもそもどんな部屋に住みたいのかわかっていなかった。
むしろわかっていなくて良かったのかもしれないと思う。
何せ最初の頃は、実家に譲ってもらった家具や
なるべく安く買った家電、そして安月給でスタートする。
手取り13万の初任給に小躍りして喜んでたっけ。
そんな状態であの家具が欲しいとかこういう素材に変えたいとか
部屋の革命に目覚めてなくてむしろ良かった。
まだ300円台だったぷちサンプルシリーズを買って満足してた。
(安かったなぁ‥‥。ていうか値上がり過ぎなんよ。)
カーテンは床にひきずる長さ。
開け閉めするたびに床の埃を掃除してくれる。
ベッドは子供時代から使ってる二段ベッドの下の段。
柵に囲まれていて、出入りのたびに乗り越える必要があり
手を伸ばせば当たるし、柵のつやのある木材に自分の顔が映るのが地味に嫌だった。
四隅にある支柱にカバンや帽子やタオルをひっかけるのが習慣だった。
これが便利すぎて、買い替えようという発想が出なかった。
とりあえずでラグを敷いてた。
なんか机の下にはラグでしょ?というイメージで
てきとうなラグを選んで敷いてたけど
掃除機で埃を吸いづらく、食べかすや汁をたびたびこぼし、
汚れの温床になりがちだった。
本棚はダンボール。
引越しの時入れてきた箱からそのまま取り出すスタイル。
一応取り出しやすく背表紙を上に向けて並べてるからこれは本棚であるということにした。
1年後ぐらいに、ダンボールの綴じ蓋部分を切り取り、
背表紙が正面を向くように箱を90度回転させ、
少し本棚っぽくするというマイナーチェンジを果たした。
本はゆがんでいた。
クローゼットに、インクがあったり無かったりするたくさんのペン類
クローゼットは「よくわからない、判断が面倒なものを入れる場所」だったので
クローゼットからはそういうよくわからないものがよく出てきた。
たわんで引き出しづらくなるプラスチックケース
プラスチックケースが歪むとかそんな発想はないので
ケースの上にはいくらでも重いものを置き
いくらでも重いものを収納した。
で、「開けにくいなー」と毎回ガタガタ。
全て他愛のない問題でありがちなことだけど
こういう経験を経て「これは嫌だな」「こうしたらどうだろう」と
試行錯誤を重ねて部屋が変わっていったんだなと思うと感慨深い。
最初から自分の好みや必要なものが全てわかっていたら
今の貯金額はいくらだったんだろう?とか
早くから快適になれてたのかな? とか、考えたりするけど
そんなことはありえないし、その過程の中に買い物や模様替えのワクワクがある。
何なら今も部屋の中に改善点がたくさんあるのは嬉しいことだと思う。
シムズシリーズで完璧な豪邸を立てると一気にプレイ熱が冷める現象を思い出した。
もやもやする部屋って、改善と喜びの宝庫なんだな。