昔からビビリな子供だった。
そのため人生で危ない目に合ったことは数えるほどしかない。
その中のしょぼ~いひとつが屋根から降りられなくなったこと。
ビビリな子供が屋根に上るか?という疑問が出そうだが
我が家の2階には「さあ屋根の上にどうぞ」と言わんばかりの窓があったのだ。
窓を開けて、その10cm下に1階の屋根があったらもう全子供そこに降りる。

屋根は祖父母の家に繋がっていて、
窓の屋根から無理なく移動でき、なかなか楽しい遊び場だった。
でもある日、屋根で遊んでいたら雨が降ってきた。
乾いた状態なら滑り止めが効いていて落ちる気配もなかった屋根が
雨に濡れたことでたちまちつるっつるに。

子供なのでそんなことは予想しておらず、青ざめた。
結局、素足の方が何故か滑りにくい!と発見し、靴を脱ぐことで何とか帰った。
今日見た悪夢も、その時学んだ「高所+雨=恐怖!」という認識からきてるんだろう。

激しい雨の中、猛スピードで前進する その [空飛ぶ椅子] は
分厚く、つるつるしており、どこにもつかまる場所が無く、
大変寄る辺の無い乗り物であった。