2021年、8年間放置していた子宮筋腫に向き合って治療したときの話を綴っている。
前回は、手術直後の長い夜が終わるまでのことを書いた。
術後の危うい体を8種の管に支えられ、至れり尽くせり。
だけどめちゃ不自由で体調悪いなといった様子であった。
朝だ!!
そろそろさすがに朝来たよね?
と思うのを5回は繰り返したので、本当に朝が来たときは
そりゃ朝でしょうよ!!(# ゚Д゚)
と何に対してだかわからない全ギレ状態だった。
部屋が明るくなり、看護師さんが来てくれて、
朝の検温・血圧・酸素測定。
血圧は上2桁で低く、37.4℃の微熱がある。
これは内臓に炎症が起きているためで、術後は必ずそうなるらしい。
たくさんの管からの解放
ここから、たくさんの管からの解放が始まった。
・・・解放率13%・・・ ずっと指を挟んでいた酸素計、はずされる
挟む力はそれほど強くない。
でも、長時間挟んでいると少し痛んでくるので、夜中に何度も挟む指を変えたものだ。
その地味なストレスからの解放。
・・・解放率25%・・・ 背中の硬膜外麻酔の管、はずされる
それから、背中の硬膜外麻酔の管。
夜中は
あまりもぞもぞ動くと針がずれて大変なことになるかも!?
と、警戒して身動きに気がひけてたけど、
外すときの感じからして、とても頑丈なテープなどで幾重にも頑丈に固定されていたようで
少しもぞもぞした程度で針がずれるはずもなかった。(そりゃそうだ)
杞憂だった。
管を抜かれる時、痛いのでは!??と思っていたけどそんなこともなかった。
・・・解放率50%・・・ 心電図、血圧計、はずされる
心電図だったか血圧だったかわからないのだけど、
夜中、計測系の何かの数値が正常値を外れると警告音が鳴った。
鳴ったからと言って看護師さんが来るでもなく。
最後まで意味をよくわかっていなかったけど、はっきりしているのは
恐ろしく安眠妨害になるということ。(同室の人にとっても)
そんな騒音マシーンからも解放。
・・・解放率63%・・・ 酸素チューブ、はずされる
気分の悪さを一時払拭してくれた酸素チューブだけど
明け方はほとんど出なくなっていたので、つけている意味もなくなっていた。
途中、酸素の追加をお願いしたら「そんなにたくさん吸って良いものじゃない」らしい。
ここまでだいぶ解放が進んだけれど、
尿管カテーテルとフットポンプは、予定外に卒業できなかった。
トイレまで歩行が出来れば解放されるはずだったのが
いざ体を縦にすると、
ボエーーーーーー!
急激に襲ってきた超絶体調不良に、あわてて横にならざるを得なかった。
その場で血圧を測られ、血圧がすこぶる低い ということだったので
どうやら体を起こすには血圧が圧倒的に足りないらしい‥。
体を縦にする戦い
なんとかして体を縦にしないと、
お昼12時になったらテーブルに置かれるであろう食事にもありつけない。
そんなのは嫌だ‥!出されたご飯が全部無駄になるなんて‥!
それに、自分を縛る管が点滴1本になったらどれだけすっきりするだろう!?
だから私は本気で作戦を考えた。その名も‥
自分だまし大作戦
さっきはいきなり体を起こしたので体がびっくりしたのだ。
だから、体を起こしてなどいませんよ‥と自分の体を騙すように、
10度起こしては、15分慣らす‥ぐらいのペースでゆっくり体を起こし
気が付けば「起きてる!!」というゴールを狙う。
登山で体を慣らすのに似ているかもしれない。
しかし、この作戦をあまりにもちみちみと進めていたせいか
角度60度ぐらいで昼食が来てしまった。
テーブルの上の食事に手が届きそうで届かない。
食べればきっと体調に良い変化がある予感がしていた。食べたい。
手前のフルーツジュースなら手に取れそうだった。
あと少し、あと少し‥!おぉぉぉ‥!!
崖の上の花のようなフルーツジュースをついに手に取り、飲むと
もう何度か体の角度を上げられそうな元気が湧いてきた。
やはり何か口にすることは体調の回復には重要なことなんだ!
そうして辿り着いた数皿の流動食はとても有難い、美味しいものだった。
ビジュアルは「食事というか、ケミカルな汁の集合体みたい‥」と思ったけど
食べてみると、この時1番欲しい種類の食事だった。
体調的に流動食が限界だったし、1皿1皿が意外と美味しい。
頭部に血が流れていくのがわかる。顔が温かい。
あったかお椀トラップ
‥‥ちなみに、食べている最中、お椀を暴発させてしまうトラブルがあった。
よくある、汁物のフタとお椀がみっちりくっついてしまってるやつ。
これを必死に‥けれどもこぼれないよう慎重に‥開けようとした結果
大失敗してベッドやスマホに少しこぼしてしまったのだ!!
平常時ならあーあと言いながら掃除するだけなんだけど
体の自由が聞かない時のこの事態はけっこう焦る。
調べてみると、こうならないための裏技はちゃんとある。入院前に知りたかった‥。
流動食に救われた私は、
その後、トイレまで立って歩いていくことができ、
無事、フットポンプと尿管カテーテルを卒業できたのだった。
やっぱり1日目はいろいろとピーク
管が点滴1本になったのはめでたいけれど、
この日の身体的な問題は術後1日目だけあって、ピーク。
術創の様子や、術前は予想していなかった臓器のトラブルについて次回みっちりと愚痴る語る。